2015年06月09日

このチャーチル氏が






ときに「エスプリ」と「ウィット」が比較されることがある。

どちらも機智や笑いの才をきかせて語るジョークだが、
ほんの少しだけニュアンスが違う。
国民性なのか、
英語圏を中心とする「ウィット」は機転を利かせた笑い全てを含み、
フランスを中心とする「エスプリ」には、
素直な笑いと言うより、いささかのスパイスとしての毒が込められている。
第三者を微妙に皮肉り、
語り手や読み手の矜持を満たすところから来る笑い。


今月の20日に、アメリカの大手コンサルティング会社が
ビジネスリーダー1,300人に対するアンケートを行い、
最も尊敬されるリーダーを選出したという。

トップとなったのが、元イギリス首相ウィンストン・チャーチル氏。
彼は、戦中、戦後のイギリスの首相として活躍。
この度の調査で、指導者として最高の評価を得た。
2位は、Apple のスティーブ・ジョブス氏だった。

チャーチル氏は、首相としての手腕もさることながら、
瞬間に切り返す「ウィット」のきいたジョークは、さすが!と思わせるものも多い。
いくつか挙げてみると、
とある貴族階級の夫人から、冷笑的に
「あ~ら、あなたが私の夫だったら、紅茶に毒を入れますわよ」と言われたことに対して、
「あなたが私の妻だったら、それを飲むでしょうな」と答えている。
すなわち、
私も、「あなたが妻だなんて、ごめんこうむりたい」と、
たくみに切り返している。

また、このチャーチル氏が、アメリカに行ったとき、
宿泊先のホテルで、シャワーのあと素っ裸だったところに、
手違いで、アメリカのルーズベルト大統領が入ってきた。
バツ悪そうに驚く大統領を前に、
サラリと言ってのけた、

「イギリスの宰相は、アメリカ合衆国の大統領に隠すことは何もない」

リーダーに、あらまほしきは、このような才。


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Posted by oudasi at 11:59│Comments(0)ps
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