2015年05月26日

すぐに足がついて

万葉集や古今集などに収められている歌を一首?
と言われても中環通渠
その道に精通した人でなければ、一首さえも諳(そら)んじることはできないだろう。
だけども香港仔通渠
小倉百人一首に収められている歌を挙げろと言われると数首が頭に浮かぶ。

百人一首に取り上げられているからと言って名作であると思ってはいけない。
藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだとされるが、
それは類似の楽しむ座興のようなところがある香港仔通渠
名作を選んだというより定家が作り上げた秘密が隠されていると言った方がいい。

もし、最高の歌を集めているとしたならば、
よく知られた歌人の作では、別の秀作が収められているハズ!と強調する人も多い。
百人一首の歌や人物の中に秘密が隠されている。

その小倉百人一首。69番目の歌として挙げられているのが、
「あらし吹く み室の山の もみぢばは 竜田の川の 錦なりけり」
                          能因法師

この能因法師、ちょっとくせ者。
若い頃、官につとめていて、剃髪して歌詠みとなったとされる。
代表的に歌に
「都をば 霞とともに たちしかど 秋風ぞ吹く 白河の関」
というのがある。

京の都を夏に発ち、白河の関まで来ると、冷たい秋風が吹いていたという歌だが、
白河の関に行ったような顔だけはしたかったようだ。
都を出る振りをして、その辺りをウロウロして行って来たと吹聴した。
この男、はっきり言って根性もなければ、そんな大それたことをやる気もなかったようだ。

歌人としての名声だけが欲しくて、このような小細工にはしった。
だけども、すぐに足がついて、
顰蹙ものだったようだが、どういうわけか、小倉百人一首の歌人として名を留めている。
有名歌人と同列に列せられている。

先日、新聞を見ていると『残りの四国遍路の旅に出る』と元首相が、
「同行二人」の、いかにもお遍路さんといういでたちをして写真におさまっていた。
この、ご仁も 八十八カ所の最後まで全うできるとは思えない。

朝日新聞の「声」の欄に、
「歳費をもらいながら、四国遍路?何たることをするのだ。
「同行二人」とされる、お大師様も困惑されるだろう。
そんな暇があったら、白河の関を越えて原発の被災地をねぎらったらどうか!」
というのが出ていた。

同感である。

能因法師もこの人も、時代がいかに変わろうと、
ひと目をひくような、見せかけのパーフォーマンスだけは、やって見せたいようだ。


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Posted by oudasi at 15:09│Comments(0)ps
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